かつて世界を救うために戦った勇者がいた。

魔の者を討ち果たし、人々にがいなす存在を祓った。

その姿にずっと憧れていた。

必ずいつか追いつくのだと。

そのために故郷を出て、戦士の養成所に通っていた。

しかし、今や勇者は魔王よりも恐ろしい、世界に仇名す存在となった。

止めなければならない。

憧れていたあの背中を穢してはならない。

震える心を必死に保ち、いつかの夢を脳裏に描く。

いつか隣で一緒に戦うことを…。

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