子供のころから人の中にいても交わることができなかった。
人と一緒にいるよりも、動物たちと一緒に過ごしている方が心穏やかに楽しく過ごすことができた。
だから私は森の中に住むことに決めた。
自然の中で恵みをもらいながら生きていく。
心満たされた祝福の日々。
それでも時折人恋しくなることがある。
とある夏の日、ともに過ごした人が生涯で初めての友人で会ったからだ。
互いのことを語り合い、自然の中で遊びながら交流を深めた。
自然の中から外に出たいとは思わないが、もう一度会いたいと願う気持ちが通じたのだろう。
暑さが増して、動物たちも木陰でひっそりと身を潜めるころに、その者がやってきた。
私は心の底からの笑みとあふれる気持ちを抑えきれず、一足飛びで駆け寄った。
また、あの夏の日々が始まる…。