バカンスに来ていた少女は日焼けを避けて、日傘をさしている。

遠目にも美しい彼女は露出している肌に自然と視線が集まる。

艶めかしい素足、膨らんだ胸、細くて健康的な腕。

青い海を背景に彼女の白い髪は一層美しさに磨きをかけているように見える。

ぼーっと彼女を見つめていると、やがて彼女と視線が合った。

恥ずかしくて視線を逸らそうとしたが、彼女がこちらに向かってきた。

ジロジロ見られて不快に思わないものはない、頭の中で必死に言い訳と謝罪の言葉を思考する。

「こんにちは。美しい海ですよね。私もついつい見とれてしまいます。」

彼女は私に近づくなり、そう声をかけてきた。

どうやら海を見ていたと勘違いしているようだ。

私も同意の意を示すと彼女が私の横に腰掛ける。

ふわりと香る彼女の甘い香り。

頭の中は一瞬にして、楽園の園へと追いやられた。

「白い髪の毛って変でしょう?まるで年を取っているかのようで…。」

彼女が恥ずかしそうに髪の毛を触りながら、ぽつりと呟いた。

その瞬間、私の体の中の全細胞が力を結集し、彼女の言葉を肯定的に否定するセリフを見つけ出し、彼女へと力強く言葉をぶつけた。

そこまで本気で応えてくれると思ってもいなかったのだろう、彼女は唖然としている。

しかし、見る見るうちに彼女は笑顔になり、頬を赤く染め、嬉しそうな表情になる。

「ありがとう。なんだか元気が出ました。」

彼女はそういうとそそくさと立ち上がり、歩き去っていった。

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