散歩から帰った少女は部屋で窓に張り付いた草の葉を見つけた。

その時、大好きなお姉ちゃんが自分を呼ぶ声が聞こえた。

「スズの大好きなドーナッツ買ってきたよー」。

嬉しくてその声に振り返る。

ドーナッツが嬉しいんじゃなくて、お姉ちゃんが自分を大事に思ってくれることが嬉しいのだ。

そんな少女の横顔は幼さも残るが、落ち着いた大人の余裕に溢れていた。

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