待ち合わせの時間を30分も遅れてたどり着いたとき、視界に映ったのは腕を組んで仁王立ちする彼女の姿だった。
表情は多少緩さを感じるが、漂う雰囲気は静かな怒りを感じる。
こちらをじっと見つめるその視線は今後の処遇を考えているに違いない。
甘いもので何とかごまかせないだろうか…しかし、もので解決しようとするとかえって逆効果な気もする。
彼女に徐々に近づくにつれて、胸の鼓動が早くなる。
ドキドキするこの気持ちは彼女への後ろめたさだろうか。
それとも、起こった表情の中に寂しさと安堵感が見え隠れするからだろうか…。